セルビア共和国の国旗の意味や由来

<スポンサーリンク>

旧ユーゴスラビアであるセルビア共和国は短期間の間に旗が結構変わった国でもあります。

しかも変更に仕方が配色を入れ替えたり紋章をつけたり外したりとこれがまたややこしい…!

そんなセルビア共和国の国旗の意味や、セルビアの国旗の変遷などについて書いてみました。

この記事を読んで一緒に整理してみませんか?

 

もくじ

セルビア国旗の意味や由来

セルビア国旗制定までの経緯

セルビアの意味

基礎情報(外務省HPより)

まとめ

<スポンサーリンク>

セルビア国旗の意味や由来

セルビア国旗は横三色旗に紋章が配置された国旗です。

旗比率は2:3。

中央に意匠がある国旗が採用する旗比率としては

オーソドックスな旗比率です。

 

まぁセルビア共和国の国旗の紋章はどんぴしゃ中央!

ではありませんがそこはそれ。

実はそれにはちゃんとした理由があるんですよ。

 

国旗で意匠が旗竿側にずれている場合、その理由は大体決まっています。

それは風で国旗がたなびくと中央に意匠を配置している場合…

風でなびく国旗を眺めた時に中央よりずれて視えてしまうんです。

旗竿が国旗の左側とするとなびいている右側が短く見えてしまうので…

配置されている意匠がなんと中央より右側よりに見えてしまうんですね。

それを防ぐために、中央よりやや旗竿側に意匠を配置している国旗があるわけです。

セルビア国旗の紋章も旗竿側よりについているというのはこういう理由…

だと、著者は考えております。

※公式に見解が出ている訳では無い…ので著者の意見ですのであしからず

 

逆に中央に意匠を配置している国旗もありますが…

著者の見解では恐らくその国の風の強さによるんじゃないかな?

と勝手に想像しています。

風が強い国は国旗が風ではためくのを加味したデザインにしている…

のかもしれません。

 

では、セルビア国旗の配色についてです。

セルビア国旗は赤色・青色・白色の汎スラブ色の国旗となっています。

汎スラブ色についてはロシア国旗についての記事やオランダ国旗についての記事を参考にして下さい。

 

尚、色の並び順はセルビア国旗を採用した当初は白色・青色・赤色となっていました。

これはロシア国旗と完全に同じ並び順でした。

 

色の意味ですが

赤色は革命と血の犠牲を意味します。

青色は澄み渡る空を意味しています。

白色はまばゆく輝く光明を表しています。

 

次に国旗の意匠についてです。

この意匠は民用旗にはついていません。

官用旗にのみついています。

 

この紋章はカラジョルジェビッチ家の紋章です。

カラジョルジェビッチ家(舌噛みそうや)は19世紀頃から第二次世界大戦前までの期間、セルビア王国とユーゴスラビア王国の王家だった家です。

 

この紋章には双頭の鷲、王冠、鷲の抱える盾の中のキリル文字のCが使われています。

また、双頭の鷲の足元にはフルール・ド・リスと呼ばれる模様が配置されています。

 

王冠はセルビア王国の王冠です。

今のセルビアは共和国ですが、王冠はそのまま紋章に残されたようです。

 

次に、双頭の鷲ですが…

これはビザンチン帝国のシンボルです。

東洋と西洋の両方に睨みを効かせる、という意味があったようです。

ビザンチン帝国の末期を考えると…

東西に睨み?何の冗談やねんと思いますが

こう色々と複雑な想いにかられますねハイ。

 

オシラ章と呼ばれている、盾の中のキリル文字のC(ローマ字のS)もビザンチン関連です。

ビザンチン帝国の紋章で使われた三日月の図案化と言われています。

このCはセルビア人の頭文字のCであると解釈されています。

また、セルビア人の標語である「団結こそセルビア人を救う」という意味もあると言われています。

 

フルール・ド・リスについてですが、これはアヤメの花を様式化したものです。

紋章に使われている場合、政治的、王権的、芸術的、表彰的、象徴的な意味を持っています。

これもセルビア王国の名残でしょうか…

 

以上がセルビア国旗の意味や由来となります。

次に今のセルビア国旗が制定されるまでの経緯についてお話します。

 

<スポンサーリンク>

セルビア国旗制定までの経緯

セルビアはバチカン半島に存在する国です。

12世紀頃にセルビア王国が成立。

その後、セルビア帝国、セルビア公国となりました。

 

1459年、セルビア公国はオスマン帝国に滅ぼされてしまいました。

 

1817年、セルビア公国がオスマン帝国から独立。

1835年、白色・青色・赤色の国旗を制定。

ロシア国旗そっくりですはい。

 

1838年、ベオグラードへ遷都。

 

1839年、国旗の配色を赤色・青色・白色と逆転させる。

ひっくり返しただけとか言ってはいけません…

 

1882年、セルビア王国が成立。

1919年までセルビア王国の国旗として赤色・青色・白色の国旗を基本とする国旗が使用された。

1918年、セルビア王国はユーゴスラビア王国へとなります。

これはスロベニア人・クロアチア人・セルビア人の国をセルビア王国が吸収する事で成立しました。

国旗はこのようになりました。

配色同じで並び順だけ変わっていくのでもぅなんか訳解らなくなってきますね…

 

1941年に国王が亡命しユーゴスラビア王国、事実上の解体

1945年、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国が成立、正式に解体される。

国旗がこのように変更されます。

中央の赤い五陵星は社会主義の象徴ですね。

ユーゴスラビアは社会主義だったにも関わらず、ソ連と対立していました。

しかし1980年代に入ると、セルビア人は自国内で自分達が不当に扱われていると不満を述べ始めます。

また、スロベニアやクロアチアは独立を求め始めました。

その結果…

 

1991年、クロアチア、スロベニア、マケドニア共和国がユーゴスラビアから独立しました。

この時に国旗から赤い五陵星が外されます。

クロアチアやスロベニアが新しく制定した国旗も汎スラブ色を使用していたので…

ますます汎スラブ色の国旗が増えてしまう事となりました。

 

1992年、ボスニア・ヘルツェゴビナも独立しました。

こうしてユーゴスラビア=セルビア人の国、という状態になったのです。

社会主義を放棄した為、ユーゴスラビア連邦共和国へと改称します。

しかし、時が経つにつれ、最後の連合相手であるモンテネグロでも独立の機運が高まり始めました。

 

2004年、セルビア・モンテネグロへと改称。

国旗が現在のものとなります。

セルビア王国時代の旗が復活した、とも言えるでしょう。

 

2006年、モンテネグロとの国家連合を解消、単独国家であるセルビア共和国へと戻る。

こうしてめまぐるしく変わった国旗も今の形へと落ち着く事となったのです。

 

セルビアの意味

セルビア人は南スラブ系民族であり、セルビアというのは

セルビア人の土地、という意味です。

そのまんまですねはい。

 

<スポンサーリンク>

基礎情報(外務省HPより)

国名:セルビア共和国

独立:2006年6月3日

国旗制定:2004年8月11日

旗比率:2:3

面積:77474平方キロメートル(北海道とほぼ同じ)

人口:712万人

首都:ベオグラード

民族:セルビア人(83%)、ハンガリー人(4%)等

言語:セルビア語、ハンガリー語等

宗教:セルビア正教、カトリック等

通貨:ディナール

国歌:正義の神

時差:-8時間

 

まとめ

・セルビア国旗の配色は汎スラブ色

・赤色は革命と血の犠牲

・青色は澄み渡る空

・白色はまばゆく輝く光明

・紋章の王冠は王家の冠

・双頭の鷲はビザンチン帝国ゆらい

・盾の中のCはオシラ賞とも呼ばれるキリル文字のC

・キリル文字のCはセルビア人の頭文字や標語を象徴する

・鷲の足元にある意匠はアヤメの花を様式化したもので王権等を意味する

・セルビア共和国国旗は官用旗にしか紋章はつかない

・セルビア共和国の国旗はセルビア王国時代の国旗を復活させたもの

・セルビアはユーゴスラビア連邦等を経た為、国旗がちょいちょい変わった

 

以上です。

ユーゴスラビア連邦のせいで(?)汎スラブ色を使った国が2(3)つも増えた訳です。

モンテネグロとマケドニアはちゃんと独自国旗を作ったのでOKです。

まぁ…マケドニアはマケドニアで新国旗採用で色々とトラブルありまくりでしたが…

詳細はマケドニア国旗の記事をどうぞ

何でしょうね?

セルビア人系の人々は汎スラブ色好きなんですかね?

民族的にこぅ遺伝子レベルであの配色が良い!!

みたいな何かがあるのでしょうか?

そこらへんの思い入れについてちょっと聞いてみたくなりました。

皆さんはどう思いますか?

<スポンサーリンク>

SNSでもご購読できます。

カテゴリー

コメントを残す

*